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ブローカーと代理店

 はじめに,単に保険に限らず一般的にブローカーというものの概念について少し触れておきます.日本ではなぜか“悪徳ブローカー”という言葉に代表されるように,とかくブローカーという言葉にはあまり良いイメージがありませんが,金融にしろ保険にしろ或いは海運にしろ,欧米においてはブローカーというものの社会的地位は非常に高いものがあります.たとえばアメリカでは,保険会社から大手のブローカーにhead-huntされる事は一種の昇格とみなされています.

 ブローカーとしての機能がもっとも早く確立したのは海運,それに次いで保険ですが,それらのブローカーの集まりであるロンドンの海運集会所(Baltic Exchangeと称します)や保険のロイズのメンバーになることは大変名誉な事とされ,最近までそれらのトップの名誉職は英国皇室につながりのあるような高貴な方がなっておられました.

 なぜブローカーがそんなに社会的地位が高いのか,よく考えてみますと当たり前の事です.ブローカーというものは,正しい判断だけが売り物です.時々刻々と変わる世界情勢の中で常に正しい判断を下すには,長年の経験と知識の集積に加え,常に最新で,かつ的確な情報が集まらなければなりません.そのためにはいろいろな意味でのコネクション(≒情報網)が必要で,それを築くにはまた信用が必要になります.

 さて,本題のブローカーと代理店の話に戻ります.違いはごく単純です.ブローカーは顧客サイドに立って的確な保険や保険会社を探します.これに対し,代理店はその名の通り保険会社の“代理”として顧客を探します.ブローカーは顧客サイド,代理店は保険会社サイドということです.

 保険会社サイドに立たないからという訳ではないのでしょうが,今や世界第2位の保険大国である我が国がブローカー制度を認めて開始したのは,やっと平成8年からなのです.それも,マスコミによって皆さんもご存知でしょうが,再三にわたる日米保険交渉による強烈なプレッシャーによってでした.業界の動向の項目で述べました通り,代理店は保険会社に従属しており,その統制を離れた存在は“業界秩序”を保つうえで好ましくなかったからでしょう.なによりもアメリカの例を見て,保険会社をしのぐ存在にいつかはなる可能性のあるブローカーを認めたくなかったのかもしれません.

 平成8年度からスタートしたブローカー制ですが,今のところ未だ大した動きは無く,当社も,一応ブローカー会社を設立しましたが,まだ模様眺めというところです.なぜならば保険商品とその料率の自由化が実施されなければ,どこの保険会社でも全社統一商品,統一料率なのでブローカーの本来の機能を発揮できないからです.今年7月1日から始まる自由化によりどういう変化が起こるのか各社とともに当社も真剣に見守っていますし,必要なら新たな対策も講じなければなりません.

 当社は一貫して欧米のブローカーを志向し,そのために日本の総ての保険会社と代理店契約を結び,等距離外交を今までも実践してきましたが,その本来の持ち味を発揮できる時がそこまで近づいている事だけは確かですが,具体的にいつ,とは未だ言えないようです.それでもブローカー制の認可を含めた保険業界の規制緩和は,長期的には明らかに我々にとってチャンスだと考えております.


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